マクロリスク・モニター 2026年6月 バックナンバー(MR-2026-06)

at.AI / 最終更新 2026年11月3日

実行ID
MR-2026-06
対象月
2026年6月
種類
バックナンバー(遡及作成)
モデル版
v2.0
作成時点
2026年8月17日
公開日
2026年11月3日

この号は遡及作成です。6月時点では月次の解説を作成していません。2026年7月版の作成時に整備した数値から、後日このページを作りました。そのため採点の理由は数値の変化だけを記し、当時のニュースの解釈は加えていません。

国別SURIは6月の実データがありません。集計値は1月と7月の間の内挿です。FCOは現行のv2.1で掲載します。v2.0では5.22です。

この号の結論

目次

  1. 現在地
  2. レジーム判定
  3. 5大リスク
  4. 金融波及の3層チェック
  5. 社会不安と地域紛争
  6. 連鎖の強度
  7. 主観と客観の比較
  8. 予測ログ
  9. 来月の注視項目
  10. データ改定の記録
  11. 出典と限界

現在地

指数内容当月前月前月差区分
GRCS5複合マクロ圧力(5リスク)80.2778.99+1.28Severe
GRCS4時代間比較用(⑤AIを除く)83.2382.01+1.22Severe
FFI金融脆弱性(平時に蓄積する弱さ)69.9069.50+0.40High
FCO金融ストレス(今起きている緊張)4.323.58+0.74Low
SCI連鎖の強度74.0070.80+3.20—
SURI≥60社会不安リスクが60以上の国数(20か国中)98+1—
RCEI地域紛争エスカレーション76.5576.15+0.40Severe

区分は指数ごとの閾値です。定義はリスク計測モデルを参照してください。

2026年の主要3指数の推移の折れ線グラフ
図1 主要3指数の推移。GRCS5とFFIは高位、FCOは低位です。同じ0〜100の尺度で、1つの軸に描いています。

マクロ圧力と金融ストレスの開きは、この時点ですでに大きくなっています。

レジーム判定

6月のレジームは複合マクロ・ストレス+潜在脆弱性です。この判定は4月から3か月連続です。

月GRCS5FFIFCOレジーム
1月49.9166.104.89平常
Normal
2月55.7066.257.51マクロ圧力の上昇
Elevated Macro Stress
3月70.2967.1014.04マクロ圧力の上昇
Elevated Macro Stress
4月75.9868.454.77複合マクロ・ストレス+潜在脆弱性
Compound Macro Stress / Latent Fragility
5月78.9969.503.58複合マクロ・ストレス+潜在脆弱性
Compound Macro Stress / Latent Fragility
6月80.2769.904.32複合マクロ・ストレス+潜在脆弱性
Compound Macro Stress / Latent Fragility

5大リスク

リスクMLLevel前月差D
① 気候・食料・水3.74.176.4+6.0+1
② 財政(公的部門)3.43.669.2+2.60
③ エネルギー・海運4.24.787.0+1.20
④ 政治・地政学4.34.788.4−1.4+1
⑤ AI・雇用2.92.555.6+2.6+1

M=当月の水準、L=連鎖の結合度(各1〜5)、Level=(0.7M+0.3L)×20。Dは方向(−2〜+2)で、スコアには入りません。

5大リスクのLevelの小多重折れ線グラフ
図2 5大リスクのLevel。5つのパネルは同じ尺度です。

採点の理由

主要な実体指標

指標前月当月
世界気温偏差(℃)0.550.56
FAO食料価格指数130.8130.4
Brent原油(ドル)107.585.4
欧州ガス(ドル/MMBtu)16.1715.17
ホルムズ通航(隻/日、報道概算)2035
レイオフのうちAIを理由とする割合(%)4031

Brentと欧州ガスは世界銀行の月平均です。FAOは各号の作成時点の公表値で、後の改定は改定記録に残します。

金融波及の3層チェック

3層のいずれにも波及は見えません。SOFR−IORBは+3bp、連銀貸出の月内最大は79億ドルです。銀行の貸出態度は直近の4月調査で8.1%です。

層指標前月当月
価格の層米HY OAS(%、月末)2.722.75
価格の層新興国スプレッド代理(bp)314311
価格の層VIX(月末)15.3216.45
価格の層STLFSI4−0.72−0.80
価格の層米30年債(%、月平均)5.034.95
価格の層10年タームプレミアム(%)0.750.70
価格の層ドル指数代理118.88120.92
信用・レバレッジの層NFCI総合−0.51−0.51
信用・レバレッジの層NFCI信用−0.03−0.03
信用・レバレッジの層NFCIレバレッジ0.220.25
信用・レバレッジの層NFCI非金融レバレッジ−0.56−0.54
信用・レバレッジの層銀行の貸出態度(純引締め%)8.1(4月調査)8.1(4月調査)
配管の層SOFR−IORB(bp)−2+3
配管の層連銀貸出の月内最大(十億ドル)6.48.0

STLFSI4とNFCI系列は0が平均で、マイナスは平均より緩い状態です。新興国スプレッドとドル指数は代理系列です。

FCO v2.1 の内訳

項目ウェイト元データ点数
信用(HY OAS)0.252.75%4.00
ボラティリティ(VIX)0.2016.459.08
資金調達(SOFR−IORB)0.15+3 bp5.00
銀行(貸出態度)0.15専門判断5.00
流動性0.10専門判断0.00
介入使用量(連銀貸出)0.158.00.00
FCO1.00—4.32

FCOは現行のv2.1で計算しています。v2.0では5.22です。区分はどちらもLowです。

FFI の内訳

項目ウェイト前月当月
レバレッジ・信用の質0.207272
満期の壁0.156465
バリュエーション・スプレッド圧縮0.207676
不透明資産0.207272
銀行貸出態度・バランスシート0.105758
対外脆弱性(新興国)0.156869
FFI1.0069.5069.90

社会不安と地域紛争

6月は国別の実データがありません。1月と7月の実データを並べて掲載し、6月の国別表は作りません。集計値は内挿による推計です。RCEIは76.15から76.55です。

SURI60以上の国数の棒グラフとRCEIの折れ線グラフ
図3 SURI≥60の国数と地域紛争指数。薄い棒は国別データのない内挿値です。
国SURI 1月SURI 7月主な要因
スーダン83.2089.35内戦・飢饉リスク。食料危機の主因は紛争
ナイジェリア67.3578.75燃料補助削減+通貨安+選挙。重点監視国
パキスタン63.3574.80食料+電力+対外債務。人口規模が大きい
レバノン66.6074.00通貨・財政が既に破綻状態
エチオピア65.7573.75紛争と干ばつの複合
ミャンマー68.1073.50内戦継続。抗議より武力紛争が主経路
ボリビア52.7065.20燃料補助削減への抗議が全国化
エジプト55.3065.05パン・燃料補助金が政治的安定装置。財政と直結
ケニア49.3061.25燃料価格抗議で死者。抗議動員が突出
チュニジア50.5558.70食料輸入依存+財政脆弱
バングラデシュ48.9558.40食料+エネルギー輸入、政治不安定
ペルー46.9057.70燃料補助導入で一旦鎮静も財政悪化
トルコ48.2054.35高インフレの慢性化
アルゼンチン49.4554.30緊縮と実質所得低下
ザンビア45.1552.75債務再編途上+干ばつ
スリランカ46.3552.502022年危機の再発リスク
ガーナ43.1050.15債務再編後の生活費圧力
フィリピン39.0544.85コメ価格が政治問題化
モロッコ38.2544.55干ばつによる農業減産
インドネシア35.3541.10補助金財政負担が拡大

国別SURIは公開情報に基づくモデル値です。各国の公式評価や格付けではありません。SURI=0.35家計ストレス+0.25抗議動員+0.20政府の脆弱性+0.20紛争の波及。

月SURI≥60SURI≥75単純平均人口加重GDP加重最大値データ
1月6153.1553.3847.8083.20国別実データ
5月8258.5559.0452.7487.30内挿(推計)
6月9259.9060.4653.9788.32内挿(推計)
項目前月当月
戦闘強度8485
エスカレーション速度7674
国家の脆弱性6364
食料・エネルギー・水7173
難民・越境7980
RCEI76.1576.55

連鎖の強度

SCIは70.8から74.0です。連鎖1は3.4から3.8へ、連鎖3は3.4から3.6へ上がりました。

5連鎖の月次強度のヒートマップ
図5 5連鎖の強度の推移。色が濃いほど強い連鎖です。
連鎖前月当月前月差
連鎖1 気候→農業→食料→家計→デモ3.43.8+0.4
連鎖2 地政学→エネルギー→インフレ→金利→財政4.94.8−0.1
連鎖3 高金利→財政余力→補助金削減→社会不安3.43.6+0.2
連鎖4 食料・燃料→政情不安→通貨安→輸入インフレ3.73.8+0.1
連鎖5 AI→採用減→若年所得→消費・政治2.32.5+0.2
SCI(連鎖の平均×20)70.874.0+3.2

主観と客観の比較

主観のGRCS4は83.23、客観のproxy-GRCSは66.3(55.6パーセンタイル)で、差は+16.9です。

GRCS4とproxy-GRCSの折れ線グラフ
図6 主観のGRCS4と客観のproxy-GRCS。主観は専門判断、客観は市場と統計の機械計算です。
月GRCS4(主観)proxy-GRCS(客観)過去比パーセンタイル差
1月50.7760.742.5−9.9
2月57.0756.834.1+0.2
3月73.1574.181.6−0.9
4月79.1476.088.0+3.2
5月82.0174.884.4+7.2
6月83.2366.355.6+17.0

この号の作成時点ではproxy-GRCSは未導入でした。掲載値は2026年10月に統一した計算方法で後日算出したものです。

予測ログ

予測ログは2026年7月版から始めたため、この号に予測はありません。

来月の注視項目

5つの注視条件は2026年7月版で設定したため、この号にはありません。

データ改定の記録

出典と限界

この号の限界

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